筋肥大じゃない?筋トレを初めてすぐは神経系の適応で重量が伸びやすい理由

トレーニングと筋肉

筋トレを始めてすぐはトレーニングで扱える重量が伸びやすいことが一般的に知られています。

これは筋トレを初めた方はだれしも経験したことがあるのではないでしょうか。

「どんどん重量は伸びていくし、この調子ならすぐガチマッチョなれるじゃん!」

と誰しもが思いますが・・・

トレーニング初期の扱える重量の急な増加はあなたの筋肉が大きくなっているわけではないんです。(もちろんちょっとは筋肥大していますよ!)

実はあなたの筋肉の動きを司る”神経系”の発達のおかげだったんです!

筋トレにおける神経系の発達

筋トレの初期段階において筋力が急激に上昇することが多いですが、これは筋量の増加では説明できない場合が多いです。

こうした初期段階の筋力増加はいわゆる神経系の要因によるところが大きいです。

実際に筋肉の最大収縮時に計測された筋電図の振幅がトレーニングの初期段階において増加することが報告されており、神経的要因が存在することが示されています。

最初の1〜2ヶ月は神経系の要因が大きい

筋トレを初めて1〜2ヶ月は神経系の要因が非常に大きいと言われています。

その時期をすぎると筋力の増加は筋量の増加(筋肥大)によってもたらされます。

トレーニングの期間と重量の相関のグラフ

Baechie and Earle (2000)から

上の図にもあるように筋トレを始めてすぐは神経系の適応の影響が非常に大きいことが分かります。

神経系の適応をうまく使うならフリーウェイトトレーニング

フリーウエイトトレーニングによっても神経系の適用が行われます適切な挙上のためにバランスと効率の良い動きが要求されるので、フリーウェイトトレーニングでは神経系の適用が大きく行われると言われています。

これはマシンを用いてのトレーニングに比べて使用する筋肉が多いために起こります。

フリーウェイトでは主働筋以外にもその動きを補助する筋肉を使用します。

(腕立て伏せであれば主動筋は胸、補助筋肉は上腕三頭筋や三角筋です。)そのために神経系の適応がフリーウェイトトレーニングでは行われやすいです。

共収縮による挙上テクニックの向上

筋トレ初期の重量の急増の要因の1つに共収縮があります。

共収縮とはエクササイズ中に主動筋と拮抗筋が同時に活動することである。

(例えばスクワットにおいては主動筋は大腿四頭筋であり拮抗筋はハムストリングスである。アームカールにおいては主動筋は上腕二頭筋であり拮抗筋は上腕三頭筋である。)

簡単に言うとトレーニング初期は筋肉をうまく使えていない事が多く、動かしたい筋肉と反対側の筋肉にも力が入ってしまうことが多い。

それがトレーニングの上達により反対側の筋肉の力をうまく抜いて動かしたい筋肉をうまく動かせるようになると言われています。

この運動においてのアイソメトリックおよびアイソキネティック活動中に明らかに共収縮が行われることが研究により示されています。

共収縮が低下することにより主働筋の動きを相殺する拮抗筋のトルクが減少し筋力が増加する可能性が示唆されています。

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